ふくろう堂で縫えるもの

ふくろう堂ではどんなものが作れるの?

ふくろう堂では「おうちで縫える本格バッグ」をコンセプトにしています。

それはナイロンや帆布、コットンなどの生地を使って仕上げられるバッグやポーチなどです。

本革は使わない、もしくは底当てや持ち手の一部など部分的な使用にしています。

本革バッグを作りたい方には恐縮なのですが、レザーを使わない理由はいくつかあります。

①まずはミシン。

バッグ用の革ミシンは、一般的に腕ミシンを使います。工業用ミシンなので、馬力が強く、初心者が使いこなそうと思うと、それだけで心が折れそうになるくらい。レザーバッグを縫いたい!と思っていざ買おうとすると20〜30万円はしますし、メンテナンスも大変です。

②あとは革漉き(かわすき)機。

革は表面を「銀面」、裏面を「床(とこ)面」と呼びますが、縫うときに厚みを調整する必要があるため、この床面を特殊な機械で薄くスライスしなければなりません。それが革漉き機なのですが、こちらも使いこなすのは一苦労。値段は15〜20万円ほどします。

実はかなり前になりますが、私も腕ミシンと革漉き機を持っていた時期がありました。ただ、音がうるさかったり、機械自体が重くかなり場所を取っていました。

一人暮らしでこの2台があるだけで窮屈になってしまったので、しばらく使って、学生時代の同級生に譲った経験があります。

それ以来、職業用ミシン一台でできるバッグを作っていますが、革を使わずとも、縫い方の工夫によって売り物のような仕上がりにすることができています。

③そして接着剤。

革同士を接着するときは「ゴムのり」や「キングボンド」などを使用しますが、これには有機溶剤(シンナーなど)が使われています。

そのため、取扱説明書には「胎児に悪影響があります」「大量に吸い込むと体に有害です」などの記載が必ずあります。

換気して使用する分には問題はないのですが、ふくろう堂では幅広い年代のかたに参加してほしいと考えているので、このような接着剤は使用しないことにしています。

現に私ももう十年以上、上記三つは使っていませんが、芯材や仕立てを工夫することで、既製品のようなバッグは作ることができます。普段からお家で使っているミシンでも縫えるようにようにすることで、受講者のみなさんには、レッスンの時間以外でもおうちで作る楽しみを広げられるようにしています。

また、部分的に革を使いたい場合は、職業用ミシンでもある程度の厚さのものは縫うことができますし、レザークラフトの手縫いの技術で縫うこともできますので、その都度相談していきましょう。